あと少し。が待てない。

私が作る卵スープは、いつも濁っている。

溶き卵を流し入れたら、固まるまで少し待つ。

わかっているのに、待ちきれずにかき混ぜてしまう。
固まる前にかき混ぜるから、卵がスープに混じって濁る。

今日も濁った卵スープを見ながら、ふと思った。

私は、あと少しが待てないらしい。

お風呂がもうすぐ沸きそうだと思うと、「お風呂が沸きました」のチャイムを待たずに入りはじめる。

洗濯機の完了を知らせる音楽が流れたら、最後まで聴かずに蓋を開ける。

ドアも、ちゃんと開くまで待てない。
人が通れるくらい開く前に進もうとして、よくぶつかる。

どれも、待つといってもほんの数秒だ。

なのに終わりが見えると、もう終わったことにして、体が先へ行ってしまう。

自分がせっかちなのは知っていたけれど、毎日のあちこちで、こんなふうにフライングしていたとは。

自分のこういう、ちょっと間の抜けたところに気づいて、なんとなく自分に親しみが湧いた。

まあ、それがわかったところで
次の卵スープもたぶん少し濁る。